NHKすぺしゃる

NHKスペシャル「同時3点ドキュメント」を見た。前回は臓器移植の問題だったけど、今回は第4回「煙と金と沈む島」ということで、地球温暖化。相変わらずクリティカルな部分をついてくる。
それぞれの矛盾した立場の中で、それぞれが最善を尽くせば問題は解決するだろうか?中国の利益とツバルの利益は両立するだろうか?非常に難しい問題。ただ、どちらかが損をすればいいという問題ではない。ゼロサムな話にしてしまうのではなく、win-winであることが重要。
ただ、気にかけなければいけないのは「win」の重み。ツバルが抱える問題は非常に大きい。もちろん、温暖化に伴う海水の問題もそうだけど、様々な要因が重なっていて、国家の運営としてはとても難しい事態になっている。もちろん、「国家の適切なサイズ」論でいくと、恐らく不適なサイズなのだろう。ただ、不適であることとその場で生きる人々の生活がどうなるか、ということを安易にリンクさせてしまってはいけない。
「win」という言葉には色々なことが想定できるのだけど、しなければいけないのは、この言葉に含まれる意味の転倒のようなものなんだろうとは思う。それがいい意味で、ゼロサムな話ではなくトレードオフな話でもなく、win-winな話にするための一つの道だろう。
それにしてもNHKのドキュメンタリーはいい。病院とかもそうだけど、公的なセクターはこういう、民間でやらない所を補完する役割がいいね。これからの総表現社会では、個人やNPOのプレゼンスも高まるとは思うけど、こういう取材はなかなかそれらでは力が及ばない。
【参考】TUVALU OverView とても分かりやすかった。