辞世の句

辞世の句っていいよなぁって思う。句に限らず、限定された環境の中だからこそ、ことばの美しさは光る気がする。中でも辞世の句って、重みがずば抜けてる。自分の全てだから。
という訳で、ちょこっと戦国時代編。

限りあれば 吹かねど花は 散るものを 心みじかき 春の山かぜ

僕の好きな辞世の句。蒲生氏郷という戦国時代の武将のもの。彼の人生を思うと、何ともいえない思いを感じずにはいられない。

四十九年一酔の夢、一期の栄華一盃の酒

色々と異論はあるけど、とりあえず上杉謙信。なんかいいよね。こういう世界観。女性説なんかもあって、ちょっと興味深い。僕はでも、どちらかというと上杉景勝のほうが身近な感じで、好き。

曇りなき心の月を先立てて 浮世の闇を照らしてぞ行く

伊達政宗。単純にかっこいいよねぇ。時代が悪かった。遅かったんだろうなぁ。

五月雨は つゆかなみだか 時鳥 わが名をあげよ 雲の上まで

足利義輝。同じくかっこいい。だけどそれだけじゃなくて、ちょっと切ない。剣豪将軍も時代の流れっていうのはあるものね。

ちりぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ

ちょっと違うけど、細川ガラシャ。悲運が見えてくる。女性であること、キリスト教を信仰していたこと。この時代には色々ありえる環境がそろってた。

うーん。辞世の句は感慨深い。僕も死ぬまでには書けるような思いを掲げていたいし、句も読めるようになってたいものだ。