10万年の世界経済史
- 作者: グレゴリー・クラーク,久保恵美子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/04/23
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http://phrik.misc.hit-u.ac.jp/Asami/Jugyo/2005/socdev/week2/malthus1.html
産業革命以前は、技術革新しても、人口が増えてしまうことで生活水準があがらず。イギリスと江戸時代の日本の生活水準の違いは出生率、結婚率によるもの?などは面白い。江戸時代の生活水準は随分低く描かれていて、確かにいわゆる所得の観点では低いのかもしれない一方で、筆者も言及するように衛生状態のよさなどが導き出す観点もある。また社会構造として江戸時代は身分構造を守ることに成功していたのに対して、イギリスでの上流階級が順繰りに下に落ちていくような構造も大きな違いを生む要因か、という観点。だいぶ面白い。
また産業革命ではマルサスの罠を超えるだけの多くの革新と、それらのもたらす利益が多くの場合開発者らに還元されず、消費者に価格抑制、大量生産のようなカタチで還元されたことも興味深いところ。
結局、これだけ特異な産業革命がどういうメカニズムで起こったのかについては結論が出ないけど、こういうのは大好き。