思想の役割

シリコンバレーからの手紙118号より。

素人ながら思想・哲学の歴史をひもとけば、次世代に大きな影響を及ぼした偉大な思想・哲学の多くが、激しく変化する同時代の最先端で、同時代の意味を、また同時代をいかに生きるべきかを必死に考える営みから生まれてきた。その営みの途中経過は、同時代にはそれほど理解されず、その意義は歴史の判断に委ねられるため、評価の定着はかなりあとになる。

この点は非常に重要だと思う。実際マルクスだって人々の生活と関わってこそだったし、近代の数々の楽観論者だって、当時の空気感が無ければ時代を動かす思想は生まれなかっただろう。そしてナチスが無ければ、それ以降の揺れもなかったはずで。
日本に目を向けても、時代の最先端でそのときの環境と共に、思想(もしくはその解釈)があった。
僕達は一体、何が出来るのか。何を語れるのか。そういうことを考えると、たとえ意味があるとしても、学び舎はとてもむなしい。