ロングテールあれこれ
池田信夫さんのblogより。
特に興味あるのは、著者がロングテールを静的な分布としてだけではなく、技術や市場とともに変化する現象としてとらえていることだ。前にも説明したように、ロングテールはベキ分布y=x-kで近似でき、これを対数グラフlog y=-klog xであらわすと、右下がりの直線になる。ベキ指数kは、この直線の傾きであり、これを変えることで分布の形が変わる。インターネットなどによる取引費用(特にサーチコスト)の低下は、テールの右端を伸ばし、その傾きをフラットにして、市場の重点をヘッドからテールへとシフトさせるのだ。
ロングテールのもう一つの特徴は、それが「自己相似的」だということである。これは、ロングテールがフラクタル図形であることを示している。たとえば音楽サイトのアクセス数のデータでは、ベキ分布は一つのジャンルをとっても見られるし、Aで始まる曲だけをとっても見られる。こうした細かい分類をすればするほどkは大きくなり、逆にカテゴリーをまとめてマクロに見ると、A、B、C...で始まる曲のアクセス数はランダム(正規分布)になる。全体に見られるkの値は、マクロとミクロの中間になる。
まぁ、そう簡単にはいかないよねっていうのは理解できる。幅広い相手に対応できるようにしなければいけないという点と、それが極限まで自動化されている必要がある。ま、本読んでなるほどって思っただけなので偉そうには言えないのですが、逆に言えばそこが狙い目だなーとも思う、今日この頃。
- 作者: 菅谷義博
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/02/24
- メディア: 単行本
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