国と人間と歴史

NHKのBS2で、”追悼 米原万里さん 世界・わが心の旅「プラハ 4つの国の同級生」”を見た。
恥ずかしい話ながら、亡くなられたニュースは読んでいたけど、さほど注目もしてなかった。アーニャ、リースナ、リッツァのそれぞれの姿はかなり考えさせられた。
それぞれのバックグラウンドが重なった、共産主義の只中の学校。ロシア語とそれぞれの言葉。
自分のアイデンティティをどこにおくのか、個人と国家の関係とは、民族とは。なんだか、重かった。
アーニャの笑顔が他の人々と比べると不自然だなと思って、調べてみたら、お父さんがチャウシェスク政権の重鎮だったみたいだ。それはずいぶん、数奇というかおいしい思いもしたんだろう。今のロンドンでの暮らしと、リースナのベオグラードでの歴史を対比すると、何ともいえない。
旧ユーゴの関連でのリースナの歩んできて、いまも歩んでいる生を思ったり、ギリシャという自分の母国との距離を感じるリッツァの話を聞いたりすると、人それぞれの歴史を歩んできたことを感じずにはいられない。米原さんはそれぞれと会って、どう思ったんだろう。複雑な思いだったんだろう。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

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