贈与の歴史学

贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)

贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)

"贈与"という概念は、長らく自分の関心領域であり続けるテーマですが、これは歴史、特に中世日本の中での贈与の取り扱われ方が描かれている本。
贈与といっても色々で、中世においてはいわゆる功利的な、損得勘定の意識のあるものが多かったようでそれに関わるような記述が多い。またそういう点が進んでいくと、一種の「役得」になったり、もしくは義務的、もしくは実態はとにかく「渡すこと」が重要になったりしてくる点が面白い。
欧米においても贖宥状みたいな、功利的な目線でお金を巻き上げたりとかはあるものの、やはり日本の方がいいか悪いかはともかく、生活感が妙にある感じがするのは、自分自身が日本人なのでしょう。