ソーシャルキャピタル入門

ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)

ソーシャル・キャピタル入門 - 孤立から絆へ (中公新書)

ソーシャルキャピタル社会関係資本と訳される、人間関係や社会一般への信頼などを指す言葉。ロバート・パットナムの著書から、個々人にとってだけではなく、政策決定や社会の改善などのポイントとしても理解されるようになった。
別に僕自身は詳しくないけど、これまでの理解の経緯が整理されていて分かりやすい。一方で今後についてはあまり展望が述べられている訳ではなく、各々の考えるところにまかされているところのようです。
インターネット時代の社会関係資本は最近の影響力に比すると、扱いが少ないのかなというところです。記載のとおり、インターネットは距離を破壊する(近くにいる誰かよりも、共感性の高いどこかにいる誰か)ので、自ずからコミュニティの単位は共感の単位になる。例えば趣味などのコミュニティや、同窓のコミュニティなどがそれで、書籍の中ではブリッジング型の社会関係資本と言える。とはいえ、調査でも明らかなように、年齢が一定いくと、人間関係は近隣、親族に収斂していく傾向もあり(特に男性)、自身の生活上も距離の壁をインターネットは超えても自身が超えられなくなったりもする。その点でコミュニティの単位を重ね合わせるようなものが、今後の課題であるのかなと認識した。