コクリコ坂から

映画『コクリコ坂から』公式サイト
夜勤明けに見てきた。もしかすると寝るかな?と思いつつだったが、一気に見れた。僕の琴線には結構触れる映画だった。人によっては淡々と過ぎ去っていく印象もあるかもしれない。本線のストーリーももちろんいいのだけど、何よりもカルチェラタンの雰囲気がすばらしくよい。学生生活かくあるべし!とも思うし、自分の学生生活も一端はあそこに現れているように感じられる。
「古いものを壊すということは、過去を捨てるということではないのか」。単なる懐古趣味とは少し違う意味で、重要なことと思う。カルチェラタンの掃除というのは、そういう文脈で理解するべきだろう。
なお、公式サイト内にある、宮崎駿の"メッセージ"という箇所の記載が興味深い。

原作は、かけマージャンの後始末とか、生徒手帖が担保とか、雑誌の枠ギリギリに話を現代っぽくしようとしているが、そんな無理は映画ですることはない。筋は変更可能である。学園紛争についても、火つけ役になってしまった自分達の責任を各々がはっきりケジメをつける。熱狂して暴走することはしない。何故なら彼等には、各々他人には言わない目標があり、その事において真摯だからである。
少年達が遠くを見つめているように、海もまた帰らぬ父を待って遠い水平線を見つめている。

時間の流れ、空間の描写にリアリティーを(クソていねいという意味ではない)。脇役の人々を、ギャグの為の配置にしてはいけない。少年達にいかにもいそうな存在感がほしい。二枚目じゃなくていい。原作の生徒会会長なんか“ど”がつくマンネリだ。少女の学校友達にも存在感を。ひきたて役にしてはいけない。海の祖母も母も、下宿人達も、それぞれクセはあるが共感できる人々にしたい。
観客が、自分にもそんな青春があったような気がして来たり、自分もそう生きたいとひかれるような映画になるといいと思う。

非常に、 共感した。危うく勝手に怪しんで、見ないところだった。見てよかった。