これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

ハーバードのいわゆる一般教養的なあれ。実に分かりやすく、テーマを解説されている。訳が分かりやすいせいで一気に読める。NHKの番組も面白かったですね。ハーバードのページなら、いまでも見れるし、参考文献も挙げられているので取っ付きやすい。
テーマは多くあり、中でもリベラリズムコミュニタリアニズムの話が一つのつながったテーマだが、やはり個人的には、その中でも自己所有権の問題が最も興味を持つ。ここから派生する具体的な問題は脳死や臓器提供、妊娠中絶、代理母といった命の選択の問題などであり、いま最も宙ぶらりんで非常に難しいテーマ。
本書の中でもインドで妊娠することで稼いでいるひとの例などがあげられており、複雑な思いで読んだ。こういう本がかなり売れているとのこと。みんな、どのような思いで読むのだろうか。