書物の変―グーグルベルグの時代

書物の変―グーグルベルグの時代

書物の変―グーグルベルグの時代

昼食後に何気なく入った丸善日本橋で唐突に購入。ちょっと期待していた内容とは異なったが、それはそれで面白い一冊だった。エッセイ調のため、ややあっちへいったりこっちへいったり。それがよいとも言え、よくないとも言え。
個人的には読書体験そのものはそんなに変わらないと感じている。情報がビットの列になったのか、インクの固まりになったのかの違いだから。ただ、その周囲が変わっていく。同時期に複数の本を持ち歩くことによる、参照型読書とも言うような在り方だって生まれるだろうし(これはこれまでなら、書斎、、あるいは多くの本を持っている自室でないとあり得ないこと)、本と本でないもの、あるいは情報/論考の束の単位も変わっていくだろう。
電子であれ、紙であれ、「存在しない」かのように振る舞われる本は以後もたくさん生まれていく。検索だけでは見つからない、偶然を楽しむサービスはサーチ系のサービスと並んで、今後より求められていくだろう。
個人的には古本屋のあのにおいがとても好きなので、今後も残ってほしいものと思っている。そう言う意味で、「本を養う」という話は素敵だなと率直に思った。